メンタル疲労 vs カラダの疲労 どちらが悪い?
みなさんこんにちは!
今日は、
"メンタルの疲労とカラダの疲労はどちらの方が悪影響を及ぼすのか?"
というテーマでまとめてみました。
*元気に働くための健康法
*医学論文からのエビデンス
*今日やるエクササイズ1つ解説
*参考論文や書籍情報
をお届けしていきます。簡単な要約はInstagramをどうぞ。
メンタル疲労のもたらすもの
心が疲れている状態をどのように定義するかは難しいことですが、ここでは
何らかの心理的苦痛を感じている状態
であるとします。研究においては、
作業によって発生する脳の疲労度合い
を作業効率がどのように変化したかを測定することによって判断するものが多くみられます。
非常に複雑に関係し合っている心とカラダ。どちらも大切にすることが健康には重要です。それでも、どちらかと言えば
メンタル疲労の蓄積の方が健康に悪影響を及ぼす
と考えられています。
2017年の研究1)では、精神的な課題を長時間行った後に
- 疲労困憊に至るまでの時間が短くなる
- 自発的なパワーや速度が低下する
- 作業が終わるまで時間がかかる
といった結果が得られました。
精神的に疲れたからと言って
- 酸素摂取量
- 最大筋力
などには大きな影響はないものの、
- 持久的なパフォーマンスを下げ
- 主観的なきつさを増加させる
と報告されています。
2020年の研究2)では、
「心が疲れている状態」が持続すること自体が、病気や寿命に影響する
という結果が報告されています。
精神的ストレスの強い人は死亡リスクが約29%高いとされ、高い心理的苦痛が心血管疾患リスク・慢性疾患の予後悪化・QOL低下につながり、死亡リスクを引き上げるというのです。
さらに、さまざまな研究で
慢性的なメンタル疲労は交感神経優位状態を持続させる
ということが繰り返し報告されており、自律神経のバランスを乱すことが健康を害するということは想像できるでしょう。
カラダの疲労がもたらすもの
カラダの疲労には良い疲労と悪い疲労があります。
- 運動後の疲労
- 筋トレ後の疲労
- 散歩後の疲労
これらは適度な疲労であり、運動のもたらす
- 心血管疾患疾患リスク低下
- うつ予防
- 睡眠改善
- 認知機能改善
などの効果を期待できるでしょう。一方、
- 睡眠不足
- 長時間労働
- オーバートレーニング
などは慢性的身体疲労を起こし、健康を害する可能性があります。
慢性化させず十分に回復できれば、カラダの疲労は大きな問題にはならないのではないでしょうか。
今日やるエクササイズ1つはこれ!
メンタル疲労を軽くさせるために役立つエクササイズとして、
呼吸法
をご紹介したいと思います。
参考書籍3)では、「息を吐いて、吸う」という誰もが無意識に行っていることを深掘りし、
- 長さ
- 深さ
- リズム
を変化させて自律神経の働きを整えることを紹介しています。
基本ルールは、
1.吸うことよりも吐くことを重視する。
2.鼻から吸って、口から吐く。
3.座ってやっても、立ってやっても良い。
です。
疲労回復を考えるのであれば、吐く時間を長くする呼吸がおすすめです。
4秒で吸って
8秒吐く
というリズムを基本に取り組んでみましょう。
書籍の中では、交感神経を優位にさせてやる気を起こしたい時は胸式呼吸を行い、副交感神経を優位にさせてリラックスしたい時は腹式呼吸を行う…といった使い分けや、秒数のポイントも紹介されています。ぜひ、ご一読ください。
2018年の研究4)においては、緩やかな呼吸法として
1分間に6回程度まで呼吸数を落としてみる
ことが提案されました。副交感神経活動を優位にし、不安・緊張・怒り・抑うつなどを改善させる効果があると考えられています。
また2022年の研究5)では、ゆっくりとした呼吸1回だけの実施でも副交感神経系の働きを増加させるが、継続すると効果が維持され、
コストがかからないのに効果が出る方法
として推奨され得ると報告されています。
おすすめルーティーンは、
朝起床後、座った状態で目を閉じて、ゆっくりとした呼吸を行う
ストレッチや軽い筋トレでカラダの準備を整える
出勤前の準備を始める
です。平日・休日問わず、毎日取り組むとより効果は持続するはずです。ぜひ、取り組んでみてください。
参考書籍・論文情報
1)Van Cutsem J, Marcora S, De Pauw K, Bailey S, Meeusen R, Roelands B. The Effects of Mental Fatigue on Physical Performance: A Systematic Review. Sports Medicine. 2017;47(8):1569–1588. doi:10.1007/s40279-016-0672-0.
2)Barry V, Stout ME, Lynch ME, Mattis S, Tran DQ, Antun A, Ribeiro MJA, Stein SF, Kempton CL. The Effect of Psychological Distress on Health Outcomes: A Systematic Review and Meta-Analysis of Prospective Studies. Journal of Health Psychology. 2020;25(2):227–239. doi:10.1177/1359105319842931.
3)関根朝之. 1日中、最高のコンディションが続く! 脳を鍛える超呼吸法. 東京: KADOKAWA; 2022.
4)Zaccaro A, Piarulli A, Laurino M, Garbella E, Menicucci D, Neri B, Gemignani A. How Breath-Control Can Change Your Life: A Systematic Review on Psycho-Physiological Correlates of Slow Breathing. Frontiers in Human Neuroscience. 2018;12:353. doi:10.3389/fnhum.2018.00353.
5)Laborde S, Allen MS, Borges U, Dosseville F, Hosang TJ, Iskra M, Mosley E, Salvotti C, Spolverato L, Zammit N, Javelle F. Effects of voluntary slow breathing on heart rate and heart rate variability: A systematic review and a meta-analysis. Neuroscience & Biobehavioral Reviews. 2022;138:104711. doi:10.1016/j.neubiorev.2022.104711.
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