肉体労働職なら運動は足りている?

 みなさんこんにちは!

今日は

「肉体労働の職業に就いているなら、健康のための運動は足りているのか?」

というテーマで記事を書きました。皆さんの職業はどのようなジャンルの職業ですか?もしも以下のような職業に当てはまる、という方はぜひ最後まで記事を読んでみてくださいね。

  • 建設業
  • 農業
  • 林業
  • 漁師
  • 引っ越し作業員
  • 宅配・配送ドライバー
  • 倉庫・工場作業員
  • 清掃員
  • 介護職員



仕事離脱のきっかけとは

休業4日以上の死傷災害(2024)1)では、

1位:転倒

2位:動作の反動・無理な動作(腰痛などを含む)

3位:墜落・転倒

上記の3つが挙げられています。


「私は大丈夫!だって毎日これだけ汗をかきながら体を動かしているんだから十分健康的!」

と考え、仕事以外には運動する機会をつくらない人は多くいらっしゃいますが、

仕事中における身体活動は、

  • 長時間作業
  • 同じ動作の反復
  • 重量物を操作する
  • 不自然な姿勢をとる
  • 休憩を自由に取れない

などを伴うことが多いため、

余暇の運動と仕事中の身体活動は分けて考える必要があります。

仕事で繰り返し使う筋肉・関節をケアしつつ

仕事とは違う動きで身体を補強してあげる

ことで、ケガの予防に努めることが大切です。


私自身も、職場で転倒、腰痛、ひざ痛、肩痛などにより、仕事を休まなければならなくなった人を何人も目にしてきました。誰もが仕事熱心な方々でしたが、あまり自分自身のカラダの状況に目を向けず、気づいた時にはケガをしてしまっていた…ということが多いように見受けられます。


肉体労働者に対する運動介入の効果を検討したシステマティックレビュー・メタアナリシス2)では、

仕事関連の痛みや身体機能障害の改善に有効である可能性

が示されました。また、鶏肉処理工場の労働者を対象に、仕事による腰痛・頸部痛の予防を目的とした運動プログラムを実施した研究3)で、痛み症状が軽減されたという報告もされています。


仕事で身体を使っている人ほど、自分の身体を守るためのケガ予防が重要です。

  • 骨や神経に異常はない慢性腰痛(非特異的腰痛)
  • アキレス腱断裂
  • 慢性的肩こり
  • 転倒・転落によるケガ

などは、日ごろの運動と気を付ける力によって予防できる可能性が高いといえます。


ここからは、

ケガ予防ができる基本の過ごし方

腰痛対策のまず1つはこれ

肩の痛み対策のまず1つはこれ

転倒・転落によるケガ対策のまず1つはこれ

という流れで、働きながら少しずつ始める対策を紹介していきます。一気にいくつもの運動を取り入れることはハードルが高く、継続することが難しいです。少しずつ手を出し、波に乗れたら難易度や強度を変更すると続けやすくなります。


ケガを予防する基本の過ごし方

ずばりまとめると、以下のような過ごし方がおすすめです。

①仕事前:1~3分のウォームアップをする

仕事前のウォームアップは、動かしながら体をほぐすダイナミックなストレッチや、昔ながらのラジオ体操もおすすめです。


②仕事中:同じ動作を続けない工夫をする

仕事中の動作の工夫として、とにかくケガのリスクを高める動作を繰り返さないことが大切です。例えば腰痛・ぎっくり腰を引き起こすきっかけに

前屈×体のひねり×同じ姿勢を長時間繰り返す

という定番のものがあります。とにかくこの状況を作らないようにしてください。


③仕事以外:週2回程度、仕事では使わないような筋肉を鍛える

仕事以外に筋肉を鍛えるのは負担に感じるかもしれません。しかし、ほんの数分の努力でも、継続すると必ず体は応えてくれます。ケガを予防し、動きやすい体をつくることができます。特に、

  • 下肢(両脚の筋肉)
  • 臀部(お尻の筋肉)
  • 体幹(腹筋や背筋・インナーマッスル)
  • 肩周り(インナーマッスル~アウターの大きな筋肉まで)

が体の軸になってくれる部分ですので、これらをバランスよく鍛えると良いでしょう。

曜日やタイミングを決めてもよし、

決めすぎると苦しくなるならハードルを下げて週1回でもよし、

週2回と言わず毎日ちょこちょこルーティーンにしてもよし、

とにかく自分の都合に合うタイミングで「やり始める」ことです。

(具体的な筋トレ方法は実に様々です。別の記事にまとめたいと思います。)


腰痛対策のまず1つはこれ

腰に負担をかける動作をやらないこと

筋骨格系の明らかな病的所見がない腰痛を引き起こす要因は様々で、どれか1つだけが原因とは言えません。

  • 動作要因
  • 環境要因
  • 個人的要因
  • 心理・社会的要因

といった要因が複合して起こるものとされます。


ただしその中でもトリガーとなる組み合わせは

重いものを持つ×前屈×ひねり×作業時間が長い×休憩少ない

であるというのが主流の考え方です。

1つやるとするなら、

重いものを持つ×前屈×ひねり×作業時間が長い×休憩少ない

この状況を作らないことから始めましょう。

筋トレで鍛えていても、腰を痛める動きを繰り返していては防ぎきれません。


肩の痛み対策のまず1つはこれ

姿勢を整える肩甲骨の運動をやる

肩を積極的に鍛えようと考える人は、マッチョになりたい人でない限りなかなかいないと思います。

大きい筋肉を鍛えるというよりは、肩のインナーマッスルをバランスよく鍛えることが重要です。その準備としてまず1つ実践するとするなら、

姿勢を整える肩甲骨の運動

をおすすめします。


肩をすくめる⇔ストンとおろす

背中を丸める⇔胸を開いて後ろに肩甲骨を寄せる

この体操を10回ずつくらい行った後、鏡で自分の立っている姿勢を横から眺めてみてください。綺麗な姿勢をつくる練習をしましょう。

  • 顎が前に出ていないか?
  • 背中が丸まっていないか?
  • 腰をそりすぎていないか?
  • 肩が前に出すぎていないか?

良い姿勢を作ろうと考えて集中する時間を作ることで、自然と体幹のインナーマッスルに刺激が入ります。

1分綺麗な姿勢を保つだけでも、継続していくと十分効果が期待できます。


転倒・転落によるケガ対策のまず1つはこれ

自分に合った靴を履く

看護師さんならナースシューズを履いている方もいるでしょうし、靴の脱ぎ履きが面倒でサンダルばかり履く人や、中には靴の踵を潰して履くことが癖になっている人もいます。

転ばないために、まず足元に気を配りましょう。

  • 自分に合ったサイズ
  • 動きやすい軽いもの
  • 扁平足などの足の特徴がある場合はインソールで土踏まずの部分をサポートする
  • できれば運動靴タイプ
  • 滑りにくいグリップの効く足裏

などの他にも、働く上での靴のフィッティングには気をつけることがたくさんあります。まずは

自分に合ったサイズ

をきちんと選びましょう。


まとめ

いかがでしたか?

  • 肉体労働職でも運動習慣は必要
  • ケガをする危険性をできるだけ低くするために日頃から対策をする
  • いきなりハードにやらない・毎日に溶け込むような健康のための運動習慣をつくる


がんばることが大変…という方へ、「努力の地図」4)という本も最後にご紹介しておきます。(リンクは下記の参考資料をチェック!)努力って報われるのか?哲学しちゃいましょう。

元気に働くために、自分自身のカラダを整えていきましょう。


参考資料・論文情報

1)令和6年の労働災害発生状況を公表|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58198.html

2)Bullo V, Favro F, Pavan D, Bortoletto A, Gobbo S, De Palma G, Mattioli S, Sala E, Cugusi L, Di Blasio A, Cruz-Diaz DC, Sales Bocalini D, Bergamin M. The Role of Physical Exercise in the Prevention of Musculoskeletal Disorders in Manual Workers: A Systematic Review and Meta-Analysis. Med Lav. 2024;115(1):e2024008. doi:10.23749/mdl.v115i1.15404.

3)Bertozzi L, Villafañe JH, Capra F, Reci M, Pillastrini P. Effect of an exercise programme for the prevention of back and neck pain in poultry slaughterhouse workers. Occup Ther Int. 2015;22(1):36–42. doi:10.1002/oti.1382.

4)荒木博行. 努力の地図:目標達成までの思考と行動を最適化する. 東京: クロスメディア・パブリッシング; 2025.

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