疲労対策まとめ~まず○○から始めよう!
皆さん、ご無沙汰しております。約2年間、ブログを更新していませんでしたが、ブログ名を
「おとな読書」から「SomaWorks」(ソーマワークス)に
変更し、
働く皆さんの健康に役立つ情報を紹介していくブログ
として再出発することにしました。
- 理学療法士という身体のリハビリ専門職としての知識と気づき
- 英語好き
- 本好き司書
という特徴を活かして、
*元気に働くための健康法
*医学論文からのエビデンス
*今日やるエクササイズ1つ解説
*参考論文や書籍情報
を発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします!
今日のテーマは
「疲労対策」
です。お手軽な要約はInstagramをどうぞ。
それって効果ない?疲れる習慣5選
効果のない「寝溜め」
→平日は6:00起床なのに、休日だからと昼まで寝るようなことをすると、体内時計のリズムを狂わせてしまう
睡眠が疲労回復にとって重要なのは周知の事実です。
しかし、1日の生活リズムを乱すほど眠ることは逆効果。リズムが狂うと昼間に強い眠気やだるさを感じ、「いっぱい寝たはずなのにおかしいな…」なんて思うことも。
お休みの日でも起床時間は同じにしておく1)
ことが重要です。もしもたくさん眠りたいときは、就寝時間を早めて起床する時間は同じままにするほうがリズムが狂わないといわれています。
眠らずダラダラ過ごすことはどうか?というと、1週間の中では、ゴロゴロ過ごす日もあって良いとされています。脳を休めるために、あえて何もしない日をつくることは疲労回復につながります。
ただし、ウォーキングや軽いストレッチなどの適度な運動は行うべきです。ゆったりとした運動を、ぼーっとしながら行うのがおすすめです。
- 家事を黙々とやる
- ぼーっと散歩する
- 好きな動画を見ながらストレッチをする
などの動いているけど仕事はしない時間を待ちましょう。
仕事終わりのジム通い
→過度な無酸素運動は心拍数や血圧を高めてしまうので要注意
何事も適度がいいと言われますが、仕事が終わってリラックスモードになっていくべき時間帯にハードなトレーニングを行うと、体は休まりません。人によってはなかなか寝付けない状況になってしまうことがあります。
家に帰ったら一呼吸置き、夕食、入浴、寝る前のリラックスタイム…とルーティーンを大切に過ごすのがよいとされます。
ハードなトレーニングをするわけではない方でも、お子さんのいる家庭は、家に帰ってからもやること盛りだくさん。就寝時は気絶するように寝てしまう…という方もいらっしゃるかもしれません。
せめて、入浴時間だけは1人でリフレッシュしたり、眠る前のストレッチをお子さんと一緒にやるようにしたり、深呼吸で呼吸を整える時間を作ったりして、寝入りのルーティーンを作りたいですね。
疲れたときのスタミナ丼
→脂肪分が多くカロリーが高い料理は、消化に時間がかかるので逆に疲労する
ニンニクたっぷりのラーメンや、焼肉食べ放題で食べまくってストレス発散…!とはならないことを知っておきましょう。
もちろん、気持ちとしては「美味しくてサイコーだった!」と感じるでしょうが、胃腸はダメージを負っている可能性があります。サイコーだった!という感覚は胃腸へのダメージを隠してしまいがちです。
消化活動には実はかなり大きなエネルギーが使われています。食べたものを一生懸命分解・吸収してくれているとき、血液は胃腸に集中しています。その間、相対的に脳や筋肉に行きわたる血液・酸素量が減少するほどです。
ただでさえ大きなエネルギーを使うのに、消化しなければならないものが多すぎれば疲労感を感じやすくなることが想像できるのではないでしょうか。
どうせ食べるなら疲労回復につながるものをバランスよく食べましょう。
疲れを癒すための成分は
- イミダペプチド
- クエン酸
- EPA&DHA
- リコピン&カロテン
がポイント。
- イミダペプチド…鶏胸肉、カツオ、豚肉など
- クエン酸…レモン、酢、梅干しなど
- EPA&DHA…サバ、イワシなど
- リコピン&カロテン…トマト、にんじんなど
この中では特にイミダペプチドが疲労回復に重要とされます。毎日の食事に積極的に取り入れていきましょう。
ストレス発散のアクティブな遊び
→休日のハードなスポーツや遊びがもたらすリフレッシュ・気分転換は、脳の疲労隠しになることがある
リフレッシュしたのに、次の日も疲れている…なんてことは、一度は経験があるのではないでしょうか。確かに気持ちは晴れているのですが、その幸福感は体に残ったダメージを隠し、気づいた頃にはいつの間にか過労の状態だった…ということがあります。
気分転換は確かに大切です。
休息とアクティブな時間のバランスを整えること
を考えていきましょう。寝る時間も惜しんで遊ぶことは疲労を解消させてはくれません。
またスポーツをするのなら、やり方に注意が必要となります。体を鍛え、筋肉を強くしておくことは確かに大切です。肥満を防ぎ、血流を改善し、若々しい体をつくることに繋がります。
しかしそれはたまに遊びでやって身につくものではなく、コツコツ地道な習慣の積み重ねで得られるものであり、時々ハードにやるのはむしろケガのリスクが高まります。
週2〜3回、軽い強度から少しずつ始めて身体に馴染ませていきましょう。週1回しか練習日がない…という場合は、家で身体作りのためのストレッチや筋トレを行い、ケガをしない準備をしてあげることが大切です。
疲労対策のためなら、毎日の通勤や家事を充実させましょう。
- やや速度を速めたウォーキング
- 階段の昇降
- 掃除機かけ
- 子どもとの遊び
これらに加えて、
- 自分の体重を使った軽い筋力トレーニング
を加えられたら満点です。
とりあえず座って静かに映画を見る
→座りすぎは死亡率にすら影響する
”総座位時間が1日6~8時間、またはテレビ視聴に伴う座位時間が3~4時間を超える人は、それら未満の人と比較して、総死亡および心血管疾患による死亡リスクが高い”2)
ただ座って映像を見ているだけでも、ずっと同じ姿勢でいることによって血流が滞り、癖づくと関節や筋を硬くさせ、どうにか血液循環を保たせようと自律神経が過剰に働くことになってしまう。
このようなことがわかってくるにつれ、日本においても様々な健康増進のための情報発信の中で身体活動をアップさせることが推奨されるようになりました。
運動強度については、中高強度身体活動(Moderate to Vigorous Physical Activity ; MVPA)が推奨されていますが、
”継続時間が10分未満の運動でも、1日の平均時間が長くなるほど、要介護リスクは低下する。”3)
という報告もあり、少しずつでもこまめな運動を行うほうがずっと体を元気にし、疲れにくい体をつくることにつながるでしょう。逆に座りすぎの生活様式では、身体機能が弱り4)、腸の病気も引き起こされやすいこと5)が示唆されています。
運動が苦手だという方でも、毎日ほんの少しの習慣が体力・筋力を増やし心身を強くすることは間違いありません。最初の一歩を踏み出してみませんか。
研究論文・書籍からみる「疲れ」の正体
自律神経のはたらき
自律神経が司る機能は非常に多岐にわたります1)。
呼吸、消化、発汗、心拍、体温、血流…
これらは、
脳に酸素と栄養を安定供給させ、脳の温度を一定に保つこと
を目的に、常に調節機能を働かせています。
運動や仕事で自律神経の中枢(視床下部)が疲弊すると、脳が「疲れた」という情報を眼窩前頭野に伝え、「体が疲れたー!」という指令に変えることで、前頭葉で意欲の低下(休ませるための反応)が起きているようです。
私たちの疲れは、
脳のセンサーが危険を知らせるアラームを鳴らしている
ようなものなのですね。
しかし、私たちはこのアラームを無視して働き続けることができてしまいます。やりがいや達成感・喜びは、疲労を隠してしまうことがあるのです。自覚のないままに蓄積したダメージがいつの間にか睡眠や免疫に影響し、病気にかかりやすくなることも考えられます。
どんな人でも、
1時間〜1時間半に一度は集中を止め、小休止するか別の作業に切り替える
などの工夫が必要です。これは忘れないでおきたいですね!
酸化ストレスが細胞にもたらす悪影響
私たちは呼吸によって大量の酸素を体に取り入れ、そのうちの1〜2%は「活性酸素」に変化し、体内に侵入した細菌やウイルスと闘ってくれるそうです。1)6)
一方で、強い酸化力は細胞にダメージがあり、長期的にダメージを受け続ければ身体のあらゆる箇所に悪影響が出てくることになります。
年齢を重ねれば、闘いもそれだけ多いということ。自然と回復パワーは弱り、自律神経の機能は40歳で20歳の半分になってしまうと言われています。
疲れを放置して働き続けることが、あらゆる病気・老化につながることは想像できるのではないでしょうか。
疲労をすぐ回復させられること
予防できること
が、健康で楽しい人生の第一歩です。
今日やるエクササイズ1つはこれ!
ここまで、疲労対策をいくつか紹介してきました。何から始めたら…と思う方も多いと思います。すべて自分のためになることですが、まず最初にやるなら「運動すること」をおすすめしています。
「休みたいのにいきなり運動しろだなんてハードルが高い…」
と感じるかもしれません。しかし、第一歩となる疲労対策は意外と単純で、
座りすぎないこと
です。
休みの日でも、適度に立って歩いて何かやる。座ってばかりいないこと。面倒でも
1時間に1回は立って家の中を2〜3分速歩き
今日はまずこれをやってみてほしいと思います。
動き出せば意外と
「あ、そういえばこれ片付けようと思ってたんだ」
「立ったついでに明日の準備でもするか」
「買い物にでも行ってこよう」
「天気がいいからこのまま散歩するか」
といった作業につながり、1日が充実して疲労感は薄れてくると思います。
運動がやる気を生み、食欲につながり、「今日は食事も少し気をつけてみるか」と思えたらしめたもの。疲労をためないルーティーンづくりが始まります。昼間の過ごし方で心地よい睡眠になるかどうかも決まってきます。
1時間に1回は立って家の中を2〜3分速歩き
ぜひ取り組んでみてくださいね。
もっと色々な運動を知りたい!〇〇はどうなの?などのご質問のある方は、コメントでお知らせください。
今後も、元気に働くための健康情報を発信していきますのでよろしくお願いします。
参考論文・書籍情報
1)塚本修身. 『図解 眠れなくなるほど面白い疲労回復の話』. 東京:日本文芸社, 2025.
2)厚生労働省. 毎日+10分身体を動かそう!. 健康づくりサポートネット. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-03-007 (参照 2026-06-21).
3)Yasunaga A, Shibata A, Ishii K, et al. Dose–Response Association Between Accelerometer-Assessed Physical Activity and Incidence of Functional Disability in Older Japanese Adults: A 6-Year Prospective Study. The Journals of Gerontology: Series A. 2020;75(9):1763-1770. doi:10.1093/gerona/glaa046.
4)Battista F, Duregon F, Vecchiato M, Ermolao A, Neunhaeuserer D. Sedentary lifestyle and physical inactivity: A mutual interplay with early and overt frailty. Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases. 2025;35(6):103971. doi:10.1016/j.numecd.2025.103971.
5)Jia J, Liu F, Li Y, et al. Sedentary lifestyle, physical activity, and gastrointestinal diseases: evidence from mendelian randomization analysis. Journal of Clinical Gastroenterology. 2025;59(3):242-250. doi:10.1097/MCG.0000000000001986.
6)倉恒弘彦,渡辺恭良.国民的課題として取り組む疲労研究―客観的疲労の評価法―.臨床検査学教育.2018;10(1):1-8.
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